サラバは上・中・下からなる長編ストーリーです。
又吉さんやオードリーの若林さんが紹介していたことでも有名ですね。
むしろそれをきっかけに知ったという人も多いかもしれませんね。
実は僕自身、西加奈子さんを又吉さんきっかけで知りました。
「にわかだね〜」と言われそうですが、舞台から始まり、漁港の肉子ちゃん、ふくわらい、きりこについて、うつくしい人、窓の魚、きいろいゾウ、あおい、そして今回のサラバと読んできました。
なので、それなりに西加奈子さんに関しては語れるのではないかと思っています。
ここでは、そんな僕がサラバを読んだ感想をあらすじなどに(ネタバレしない程度に)触れながら語っています。
サラバのあらすじをざっくりと・・・
これからサラバを見ようかな〜と迷っている人のために分かりやすくあらすじを説明します。
まずこのサラバという作品は、ある主人公を中心として生まれから30歳を過ぎるまでの人生を描いています。
だからぶっちゃけ、「地球に隕石が落ちたー」とか「誰かが殺されたー」というような派手な内容ではないんですよね。
でも良くあるようなほのぼのとしたヒューマンドラマとは違って、「誰にでも起こりえそうだけど、えげつない人生」を描いています。
そのストーリーの展開に大きく影響するのが主人公の姉です。
主人公の性格や特徴は、「空気が読めて、器用に世の中を渡っていく人間(容姿もそれなりにイケメン)」
一方、姉は真逆で「空気が全く読めず、(むしろ読もうともしない)社会に馴染めないタイプ」
となっています。
このサラバの物語自体もそうですが、主人公の姉に対する軽蔑や怒りといった感情を中心に置きながらすすんでいきます。
正直な話、スラスラと読み進めていけるんですが、上や中の段階では「この作品、何が言いたいのかな?」って思っていたんですね。
確かに身近な姉が引きこもって貝の絵を部屋中に書きまくったり、宗教にハマったり、また、親の都合でエジプトに住むことになったり、両親が離婚したりという波乱万丈な人生ではあるのですが、
今ひとつこれというものがわからずにストーリーがすすんでいきます。
おそらく僕が他の西加奈子さんの作品を見ていなければ、サラバは上で読むのをやめていたかもしれません汗
そんな中、読み進めていったのですが、サラバの下でその思いが一気に覆されることになりました。
何というか、今までの上、中で描かれてきた主人公の人生がコロッと変わることにも衝撃を受けましたし、伏線のように色々なことが回収されていくようになっているんです。
サラバのあらすじを書くつもりでしたが、結局、ボワーンとした説明になってしまいましたね。汗
でもそうとしか説明出来ないのがサラバだと思います。
サラバの僕の感想。人に合わせ疲れた人にすすめたい理由
僕がサラバをすすめたいのは、「人に合わせ疲れた人」です。
サラバでは主人公がまさに自分と重なってくるんですよね。
というのも、ストーリー内の主人公の行動や考えで共感できるものが多いんですよね。
例えば、
学生の時に周りの目を気にして、付き合う相手を選ぶ
とか、
クラスでの立ち位置を考えて、常に計算して行動する
っていうことをするタイプなんですね、主人公は。
これっておそらくどれだけスマートに出来るかは別として、多くの人がやっていること、もしくはやってきたことじゃないですか?
本当に良いと思ったものや、本当に一緒にいたいと思える人を素直に良いと言って、選べてない人がほとんどではないでしょうか?
それも人生を上手くいきるスベではあるのですが、どこかでそういう自分に嫌気がさしてくるんですよね。
まさに主人公はそういったタイプで、姉は全くの反対なタイプとして生きている姿が描かれます。
「どっちが良い?」っていう考え自体がそもそも違うのかもしれませんが、最後の最後ではそれを考えさせられるように話が出来ています。
「人に合わせて何となく上手くやってきた先に本当に幸せがあるのか?」
というのがこのサラバの最大のテーマのように感じました。
サラバでは決して、「人に合わせて疲れている人のための対処法」は書かれていませんが、「人に合わせて疲れている人の処方箋」にはなりえると思います。
これが僕がサラバをすすめる最大の理由です。
何だか人生って辛いな〜って人がフッと肩の力を抜けるような作品になっています。
まとめ
西加奈子さんのサラバという作品のあらすじ、そして感想について書いてきました。
今回のサラバもそうですが、西加奈子さんの作品は「自分らしく生きたいけど、生きれない」って人の心を救ってくれるものが多いんですよね。
おそらく今の日本人ならほとんどの人が感じている息苦しさを代弁してくれています。
読み終わってこれからどうしていくかは自分で決めなければいけませんが、それを考える元気を与えてくれるのが特徴です。
ぜひ今回のサラバを読んでみて下さい!